カテーテル治療の効果はいつまで続くのか?

2008年9月10日水曜日

Effect of PCI on Quality of Life in Patients with Stable Coronary Disease
W. S. Weintraub and Others  N Engl J Med 2008;359:677-87

近年、狭心症に対する、PCI(カテーテルによる治療)は隆盛を極めています.しかし、安定狭心症(症状の落ち着いている狭心症)の方に対する効果に関してこれまでの研究結果では、少なくとも長期予後を良くするという結論は得られていません.(つまり、安定狭心症の方がPCIを受けたからといって長生きにはならないということ.)それでは、PCIにより症状は薬のみの治療に比べて、どのくらい良くなるのかというのを調べたのがこの研究です.
この研究では、薬物療法でもPCI+薬物療法でもかなり症状はよくなります.改善の程度は始めはPCI+薬物療法の方が大きいのですが、その効果の差は24ヶ月しか続かなかったことが判りました.つまり、PCIは狭心症を押さえたい場合には選択肢となりますが、その効果は2年ほどと考えておいた方が良さそうです.