
2021年5月5日(水曜日)
連休も最後の1日となりました。
今回は歌手のバーブラ ストライサンドを取り上げてみました。バーブラ ストライサンドというと「追憶」(The Way We Were)などが代表曲になるのでしょうか?アメリカの偉大な女性ヴォーカルですが、私は元々あまりポピュラーを聞く機会がなく、ほとんどバーブラの曲を知りません。クラシックばかり聞いている中で、たまたまバーブラとの接点ができ、とても感動しましたので、そのことを書いてみたいと思います。
「追憶」くらいは流石に私の耳にも入っていましたが、それ以上バーブラの曲を聞いてみようということはありませんでした。1976年にClassical Barbra(上の写真です)というアルバムが作成されており、バーブラがクラシックの曲を歌うということで、一体どうなるのかという興味で聞いてみたのが意識してバーブラを聞いた最初になります。
この中のクラウス オーガーマンによるI Loved Youというアルバムの最後の曲が、このアルバムの中で飛び抜けて素晴らしい演奏だと思います。そもそもI Loved Youという曲が、プーシキンの詩にオーガーマンが曲をつけたものなのですが、プーシキンの詩が素晴らしいです。以下が、プーシキンの詩の英語訳です。
I loved you,
I love you still too much;
But forget this love
That pressed sadly against you will.
I loved you in silence, without hope,
But true, jealous afraid.
I pray that someone
May love you again the same way.
この曲はLovedと過去形になっていることからもわかるように、もうすでに終わってしまった女性への愛を思い、最後に、誰かが彼女のことを自分と同じように大切に愛してくれることを祈るという詩です。この詩を読んでいくと初めは自分のことを書いているのですが、一番最後にthe same wayという歌詞が耳に入ってきて、どんでん返しのようにあ、そういうことなのかと心に響きます。
英語訳を調べると最後の2行について色々な訳があり、結末が全然変わってしまうのですが、オーガーマンの選んだ英訳がとても切なくて一番いいと思います。実際のところはどうなのかロシア語で原詞を理解できればいいなと思います。
とりあえず、YouTubeからの引用です。とても素晴らしい曲です。是非、ご一聴ください。
この詩の日本語訳を探している中で、ある方のブログでこの曲のことが出てきました。(http://artsandscience-kipling.blogspot.com/2015/02/)このブログでは私がこの曲を初めて知った、シンガーズ アンリミテッドの演奏からこの曲について書かれています。
シンガーズ アンリミテッドの演奏はRobert Farnonの編曲も独特の音色で素晴らしいと思います。
I Loved Youはこのくらいにして、もう一曲、書いてみたいと思います。この曲はクラシックとポピュラーのフュージョンであるイツアーク パールマンのCinema Serenadeというアルバムの中にあったPapa, Can You Hear Meという曲です。
この曲をとても気に入ったのですが、作曲が「シェルブールの雨傘」、「ロシュフォールの恋人たち」など数々の名曲を生んだ巨匠ミシェル ルグランということで、なるほどとうなずきました。元々はYentlというバーブラが監督、主演をした映画の主題歌と知り、バーブラの原曲を聞いてみました。
この動画を見ていただくとバーブラの凄さがわかると思います。一流の歌手はその世界観の中に聞くものを瞬く間に引き込みますが、この動画もまさにその典型例と思われます。
最後の休日、お楽しみいただけたら嬉しいです。