新型コロナウイルス流行に思う

2020年4月12日(日曜日)

昨年末から武漢で始まった新型コロナウイルス(COVID-19)の流行が日本でついに爆発の瀬戸際というところまで来ました。これまで60数年生きてきて、初めてサバイバルという言葉が現実のものとなりました。そのような非常事態にあたり、私たち開業医も感染もやむなしとして日常診療にあたっておりますが、基幹病院で直接このウイルス感染患者の管理に当たられている医師、看護師、コメディカルの方々の決死の日々の奮闘に対し、また、クラスター対策班をはじめとする行政の方々の流行封じ込めのための昼夜を分たぬ奮闘に対し、心からの賞賛を送りたいと思います。

日頃、経済、経済と経済系の方々が幅をきかせていますが、このような事態になってみると、なんと言っても経済は平和、健康の上に成り立ち、平和、健康こそが全ての人類の営みのインフラだということがよくわかったと思います。経済界も人命よりも経済優先という立場から人命優先、早期感染収束を目指す立場に転換していただきたいと思います。そうすることによって経済的打撃も最小限にすることができるのではないでしょうか。

このウイルスに対して欧米の首脳が戦争という言葉を使っていますが、医療崩壊、経済崩壊の危機に瀕し、まさに国民一人一人が全力で総力戦で立ち向かわなければならない事態と言えます。

政府がなかなか緊急事態宣言を出せず、いわんや営業停止命令、ロックダウンなど感染拡大防止に手を拱いている中、緊急事態宣言、強い危機感を表明した北海道や大阪などの地方自治体の首長、また、軽症者の受け入れを表明したアパホテル社長、政府に先駆けて自主的休業を選んだデパート、小規模店舗さらにはパチンコチェーンのトップ等、医療崩壊に対する協力、感染拡大防止策を国ではなく地方自治体、民間が積極的に行っている事態はとても日本的な光景のように思います。かつての第二次世界大戦でアメリカに「(日本は)兵隊や下士官は一流だが、将校は凡庸で、特に上に行くほど愚鈍である」と言われたそのままの図式のように思われます。

政治家の仕事としてマスクを配ることも大切だとは思いますが、むしろ感染拡大をいかに防ぎ、救える命をいかに救うか、そのために政治家として何ができるのか、マスクよりもさらに重要ことがたくさんあると思います。感染拡大防止のために休業命令、ロックダウンを含む人の移動の制限を適切な時期に行い、それに対する経済的支援をどうするのか、不足しつつあるあるいは既に不足している、医療現場の病床、人員、医療機器、資材にどう対応するのか、現在、ウイルス対策の頭脳であるクラスター対策班の疲労困憊をどう支援するのか、クラスター対策班の考え、思いを一般国民にいかに広く深く伝えるのか、そういったこと全ての権限を持ちそれができるのが政治家だと思います。しかし、これまで政治家の語った言葉にはこういったことに対する熱い思いを感じることはできません。むしろ、4月10日に自動車工業4団体を代表して豊田章男氏が会見で述べた日本の就労者の1割を担う産業の代表としてこの事態の歯止めになるという決意は私の心を打ちました。(https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1246407.html

ウイルスは人から人に伝播して行きます。ほとんどの人が自分は人から感染をもらう被害者という感覚だと思います。しかしその一方で自分がウイルスを次の人にうつす感染拡大の加害者であるかもしれません。そのことを心に留め、一人一人が行動を一つ一つよく考えて、自分のできることをきちんと行い、この未曾有の事態を最小限の被害に留めて乗り切りたいと思います。

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