シリコンバレー狂騒曲

2020年1月12日日曜日

ハードディスクに録画しておいた番組を整理しようと、未視聴のままになっていた「シリコンバレー狂騒曲」というナショナルジオグラフィック(TV)の番組を見ました。さほど期待はしていなかたのですが、インターネットの草創期を描いた実話に基づくドラマで、そう言えばこういうことがあったなと私自身の記憶が蘇り、ハマって見てしまいました。

以下、ネタバレになりますが、ある程度大まかな流れがわかっていた方がかえって面白いかもしれません。

この物語は一言で言えば、インターネットが世の中に知られ始めた頃のウェッブブラウザ、動画配信、SNSの3つの分野のそれぞれの草分けである、Netscape社、Pixelon社、theglobe.comの成功とその後の顛末を実話に基づいて描いています。この三社についてはこのドラマの予告編にあるキャッチコピー「Googleの前にNetscapeがあった、YouTubeの前にPixelonがあった、Facebookの前にtheglobe.comがあった」という言葉がとても分かりやすいと思います。内容は1990年代半ば当時の再現ドラマだけでなく、登場人物を含めたその当時の関係者へのインタビューとを融合させることにより、その当時が実際どうだったのか説得力のある出来上がりになっています。

私がコンピュータに興味を持った頃、おそらく1980年代後半から1990年代前半だと思いますが、まだパソコン通信という言葉で表されるように、まだWorld Wide Webがなく、一行ずつ文字で入力してゆくラインエディタのようなもので、やり取りするオンラインサービスしかなく、私はGeneral ElectricによるGEnie (General Electric Network for Information Exchange) というサービスに加入していました。その当時がどんな風だったかは以下の画像がわかりやすいと思います。

https://en.wikipedia.org/wiki/GEnieから引用

その後、World Wide Webの時代になり、Netscape社からNetscape Navigator(以下NNと略します)が発売されました。それまでのラインエディタの文字の羅列によるオンラインの操作から、現在私達が行っているようなGraphical User Interfaceの、コンピュータ上の操作もオンラインの操作も全く同じ感覚で行うことができるようになりました。私も早速NNを買い求めインターネットの世界に入ってゆきました。NNはまさにインターネットの世界へのナビゲーターだったわけです。このようにしてNetscape社は大成功を収めるわけですが、その成功を知ったMicrosoft社は対抗してInternet Explorer(以下IEと略します)を開発します。こうしてNetscape社とMicrosoft社のブラウザ戦争が始まりました。

1996年当時、NNはウェッブブラウザのシェアの80%を占め、(一方IEは10%のシェア)、機能的にもIEを凌駕していました。(作品中の元Microsoft社のブラウザ開発者もインタビューでそれを認めています。)このような状況を会社にとっての脅威と感じたMicrosoft社は自社のOS市場の独占状態を利用して、IEを無料にしたり、OSに抱き合わせて販売をしたり、また、会社の規模の違い、資金力を利用してNetscape社の周囲の会社に圧力をかけNetscape社との関係を妨害したり、Netscape社に様々な嫌がらせをしてシェアの巻き返しを図るわけです。それに対し、Netscape社は司法省に対しMicrosoft社の抱き合わせ販売が独占禁止法違反であるとして提訴をします。この提訴はNetscape社の言い分が認められ、Microsoft社の独禁法違反が認められるのですが、その判断が出るまでにあまりに時間がかかったため、ブラウザー戦争としてはNetscape社が負けてしまうわけです。(ただ、司法省のこの判断がなければ、現在のGoogle, Facebookは潰されて生き残れなかっただろうとNetscape社の元幹部ジェームス・バークデールは言っています。)

この辺りの話については私はリアルタイムに見聞きしておりましたが、改めてこの作品を見て私のMicrosoft社嫌いの一つの理由であることを改めて思い出しました。この他にもプレゼンテーションソフトにおけるAldus社のPersuasion、スプレッドシートにおけるAshton-Tate社のFull Impactなどの優れたソフトウエアがMicrosoft社の出来の悪い(健康食品のCMではありませんが、これは私個人の感想です)Power PointやExcelのシェアに負けて、消えていったことは私にとってはとても悲しい記憶です。またシェアのみで商品を選択するユーザーの行動にある種憤りを覚えたりもしていたことも思い出しました。

主にNetscape社を巡る部分について書いてきましたが、Pixelon社、theglobe.comの部分もとても面白く、インターネット草創期に立ち会えなかった若い方々にも是非ご覧頂き、インターネット草創期の時代より早すぎたコンピュータフリークス達の様々な思いを感じていただければと思います。

ところで、最近QuoraというサイトにMicrosoft創設者のビル・ゲイツが1970年代のコンピュータユーザーにとって悪の権化であった理由をわかりやすく書いていました。下のリンクをクリックしてご覧ください。

https://qr.ae/pNsVFZ

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。