ラヴェル 左手のためのピアノ協奏曲

2013年3月3日日曜日

久しぶりの更新になります.

今回は、YouTubeで見つけたラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲の動画を取り上げたいと思います.若いソリスト、オーケストラの楽譜に忠実な正確な演奏だと思いますので、曲の構造を聞くには良い演奏だと思います.

この曲は第一次世界大戦で右手を失ったピアニスト、パウル・ヴィットゲンシュタインの委嘱で書かれた曲です.眼を閉じて曲を聞いて頂くと、普通にピアノを両手で弾いているように聞こえるのではないかと思います.改めてラヴェルの技巧に驚かされます.

曲はコントラバスのミーラーレーソのうごめくようなアルペジオの上に、コントラファゴットの付点音符のサラバンドの第一主題で始まります。

そこにホルンのミ♭ーレードの主題が重なり、次第に木管楽器が加わり、金管楽器が加わって暗い世界に、強い太陽の光が差し込むような響の中でピアノソロの序奏が始まります.

その序奏がひとしきり終わり、最後の混沌とした和音がニ長調の最低音のオクターヴの主音のみを残して消え、その低音のDの響きの上に、主題が静かに弾かれます.この主題の現れるところはこの曲の中でもとても感動的な一瞬だと思います.( 3:20 )

その後、オーケストラも加わって主題が最高潮に達し、静かになると、ピアノのカデンツァが始まります.( 6:40 )

この部分は低音の伴奏が3連譜で、高音のメロディーが4分音符、8分音符で書かれ、左手一本で弾いても伴奏、メロディーが明瞭に分かれて聞こえるように工夫されていると思います.その後、オーケストラも加わり、第一主題が展開されます.

それが終わると軍隊の行進のようなリズムのアレグロとなります.

しかし、その中にもラヴェルいたずらっぽい無邪気な主題が紛れ込みます.( 10:50 )

その後、ミ♭ーレードのテーマが現れ(11:20)次第に盛り上がり再び無邪気なテーマが現れた後,オーケストラの総奏となり、それが静まるとカデンツァとなります.(15:10)このカデンツァではアルペジオの音型の中にメロディーが埋め込まれ、メロディーと伴奏が左手と右手で弾かれているように聞こえます.

次第に初めのテーマに回帰し、気分が高揚してくると、そこにオーケストラが加わりすばやく終結に向かいます.

とにかく、この曲はラヴェルが左手一本でピアノ協奏曲をかくという制約を与えられ,その制約故にラヴェルの天才がいかんなく発揮された一曲だと思います.

是非、楽譜( http://imslp.org/wiki/Piano_Concerto_for_the_Left_Hand_(Ravel,_Maurice) ) にあります.)を見ながらお聞きになる事をお勧めします.

また、両手のために書かれたト長調の協奏曲と聞き比べるのも面白いのでは無いかと思います.

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