人類の足跡 10万年全史

2009年1月15日木曜日

人類の足跡 10万年全史 スティーヴン・オッペンハイマー著 仲村明子訳
株式会社 草思社 ISBN 978-4-7942-1625-0

数年前、皇位継承問題で女性天皇を認めるかどうかということが話題になりました.その際に、女性天皇を認めないという理由として、これまでの皇位継承は神武天皇以来のY染色体を保持してきたのであり、ここで女性天皇を認めることは、これまでのY染色体のつながりを断つことになるという意見が述べられたのを覚えている方もあるかもしれません.
Y染色体は父から男児へと男系で伝達され、同様に細胞小器官であるミトコンドリアの遺伝子は母から女児へと女系で引き継がれてゆきます.
従って、Y染色体を遡れば遥か祖先の父親へ、ミトコンドリアDNAを遡ってゆくと、遥か祖先の母親へと繋がっていくことになります.
本書は、人類が10万年前にアフリカ(現在のエチオピア付近)の1系統から始まり、10万年ほど前にアフリカを出て世界中に広がって行く様子を、現在まで得られたY染色体、ミトコンドリアDNAを用いた遺伝子工学的な研究結果に基づいて述べています.
私はこの本を読んで、人類が元はと言えば1つの系統からでているまさに兄弟、同胞であることを改めて認識し、また、人類が地球の気候変動、火山噴火など大自然の現象に翻弄されながら地球全体に広がり、本当に運良く現在まで生き延びてきたものだと思いました.
本書は読者に人間に対するいとおしさ、国際紛争、人種差別などの愚かさを強く感じさせてくれるものと思います.

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