フィリップ・ヒルシュホルンそしてギヨーム・ルクー

2009年12月14日月曜日

久しぶりの更新となりました.
久々の何も用事のない日曜日、YouTubeでヴァイオリンの曲をザッピングしていると、Philippe Hirshhorn(1967)というタイトルに目が止まりました。(現在、YouTubeではこの動画が見ることができませんので、Dailymotionのものをご覧ください。

これまで聞いたことのないヴァイオリニストでもあり、一応は眼を通しておこうと思って見てみると、これがとても素晴らしいヴァイオリニストで驚きました.こんな素晴らしいヴァイオリニストがなぜ有名でないのだろうかということ不思議に思いましたのでネットを検索をしてみてもあまり情報がありません.ごくわずかな情報では、彼は1946年ラトヴィアに生まれ、1967年のエリザベート王妃国際コンクールで第1位となり、その時にクレーメルが3位であったということ、そして1996年に50歳で亡くなったということしかわかりません.ビデオを見ると、私が審査員であったとしてもクレーメルよりも絶対に上位にすると思える素晴らしいバガニーニの協奏曲の演奏でした.(私は本当のことを言うとクレーメルのヴァイオリンはあまりヴァイオリンとしての美感がなく、好きではないので、この時の審査結果にさもあらんと妙に納得しました.)チェリストのミーシャ・マイスキーのヒルシュホルンに対するコメントでは、彼の到達点があまり高すぎてしまい、自分自身その高みを維持することの困難の故にだめになってしまったというようなことを語っていました.ヴァイオリニストが才能を順調に伸ばし、大成し、そのレベルを維持してゆくことがとても困難であることはこれまでもマイケル・レービン、ヨーゼフ・ハシッド、ボリス・ゴールドシュテイン、クリスチャン・フェラスなど数々の例がありますが、フィリップ・ヒルシュホルンもまたその中の一人であったわけです.
ヒルシュホルンの演奏を順に聞いていくと、どれも素晴らしい演奏なのですが、特にルクーのソナタが素晴らしく、おすすめの一曲です.

Philippe Hirshhorn playing Lekeu Sonata II Mov Part.1
Philippe Hirshhorn playing Lekeu Sonata II Mov Part.2

楽譜はこちらです.

 http://imslp.info/files/imglnks/usimg/c/c7/IMSLP21373-PMLP49310-Lekeu_Violin_Sonata_Piano_score.pdf

あまり知られていない作曲家ですのでルクーについても一言触れておこうと思います.
ギヨーム・ルクーは1870年ベルギーに生まれ、フランク、その後ダンディの弟子となり、100曲あまりを残しましたが、惜しくも24歳の若さで腸チフスのため世を去りました.ルクーの曲は聴いてすぐにわかる美しい旋律からフランス系の作曲家とわかりますが、ほの暗いロマンがフランスよりもやや北方のベルギーということになるのでしょうか.いずれの曲も私の好みにぴったりです.ヴァイオリンソナタは同じベルギー出身のイザイの委嘱で作曲されておりますが、同じくイザイから委嘱された弦楽四重奏曲が未完に終わったのはかえすがえすも残念なことです.どんなにか素晴らしい曲になったことかと思います.
ヒルシュホルンによるルクーのヴァイオリンソナタは2人の悲劇を映し出すかのように美しく、甘くそしてちょっぴり?暗く響きます.冬の夜長に是非ご一聴を.

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