バスキア、マイルス、バーンスタイン

2010年12月30日木曜日

今年ももうすぐ終わります.今年の年末はゆっくり映画を見て過ごそうと思っています.
先日、私の二男のお薦めの映画「バスキア」を見ました.ジャン=ミシェル・バスキアはニューヨークのストリートペインディングから出発して有名になった画家ですが,1988年に薬物依存により27歳の若さでで亡くなりました.
映画の中でバスキアに初めてスポンサーが付き,アトリエが与えられ、そこで絵を描き始める場面がありますが,その背景に、マイルス・デイヴィスの名盤「kind of blue」の中の一曲、「flamenco sketch」が使われています.バスキアの人生の中での一瞬の平安な時間を思わせる印象的なシーンです.
30年も前からこの曲は知っていたのですが,改めてこの曲を調べてみると、作曲者はなんとバーンスタインと書いてあります.更に調べると、ブロードウェイミュージカル「On the Town」(1944)の中の一曲「Some Other Time」と言う曲とのことでした.「On the Town」はその5年後にジーン・ケリー、フランク・シナトラの主演で映画化され「踊る大紐育」のタイトルで公開されています。
この映画は既に見ていましたから、すでに原曲を聞いていて、気がつかなかったのかと思いましたが,実はブロードウェイ版から映画化される際に、バーンスタインの音楽は観客には難しいとされ、3曲を残してすべて差し替えられてしまい、映画の中ではこの曲は使われていませんでした.
「On the Town」は第二次世界大戦中、24時間の休暇を貰った3人の水兵がニューヨークに上陸し、3人の女性と知り合い、分かれ、再び戦地に戻るまでのたった1日の休暇の物語です.この曲は3人がコニーアイランド(現在で言えばディズニーランドのようなテーマパーク)行きの地下鉄に乗って、もう時間が足りないことに気がついたときの歌です.歌詞は以下の通りです.

Twenty-four hours can go so fast,
You look around, the day has passed.
When you're in love,
Time is precious stuff;
Even a lifetime isn't enough.
Where has the time all gone to?
Haven't done half the things we want to.
Oh, well, we'll catch up
Some other time

This day was just a token,
Too many words are still unspoken.
Oh, well, we'll catch up
Some other time.
Just when the fun is starting,
Comes the time for parting,
But let's be glad for what we've had
And what's to come.
There's so much more embracing
Still to be done, but time is racing.
Oh, well, we'll catch up
Some other time.

Didn't get half my wishes,
Never have seen you dry the dishes.
Oh, well, we'll catch up
Some other time.
Can't satisfy my craving,
Never have watched you while you're shaving.
Oh, well, we'll catch up
Some other time.

Just when the fun's beginning,
Comes the final-inning...

Haven't had time to wake up,
Seeing you there without your make-up.
Oh, well, we'll catch up
Some other time.

Just when the fun is starting,
Comes the time for parting,
But let's be glad for what we've had
And what's to come.
There's so much more embracing
Still to be done, but time is racing.
Oh, well, we'll catch up
Some other time.

出典 https://www.stlyrics.com/lyrics/onthetown/someothertime.htm
過ぎ去った時間はどこに行ったの? 
私たちがやりたかったことの半分もしていないのに、 
ああ、そうだとしても、 
埋め合わましょう、 
いつかほかの時に。 

この日はほんのはじまりにすぎない 
言ってない言葉がとても多いの、 
ああ、そうだとしても、 
埋め合わましょう、 
いつかほかの時に。 

楽しみが始まったばかりのその時、 
さよならの時が来るの、 
でも、喜びとしましょう、私たちが体験したこと、 
それに、これから起こることを。 

抱き合うことよりもっと、 
まだやるべきことがあるのに、時間は迫ってくるの、 
ああ、そうだとしても、 
埋め合わましょう、 
いつかほかの時に。

出典 http://jazzsong.la.coocan.jp/Song06.html

それぞれの別れ、戦場に戻らなければならない兵士の気持ちなどの情感にあふれる歌でした.
映画「バスキア」あるいはマイルス・デイヴィスの演奏で聞いた柔らかな甘いイメージと、だいぶ印象が変わりました.
でも、詩を読んで再びこの曲を聴いてみると、本当にしみじみとした情感のあふれるとてもよい曲であることがわかると思います.

YouTubeでいろいろなバージョンが聞けます.

映画「バスキア」で使われていたマイルス・デイヴィスによるもの

作曲者バーンスタイン自身の歌声が聞けます

トニー・ベネットの歌が素敵です.

ビル・エバンスのバージョン

ビル・エバンスの別バージョン

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